高度IT化技術への取り組み 統合情報化施工管理システム「Beluga.Net」

副題:−函館港島防波堤ケーソン撤去工事への適用事例−
著者:増田 稔、藤山 映
掲載誌:社団法人 日本建設機械化協会「建設の施工企画 10月」、pp20-23(2006)

 統合情報化施工管理システム「Beluga.net」(以下ベルーガネット)とは、無線LANや携帯電話・PHSなどのパケット通信を利用して船舶・重機・作業船に搭載されたGPSやその他機器からの施工情報(位置情報・軌跡)をリアルタイムに伝送し、遠く離れた場所にてモニタリングを行う施工支援ツールです。これにより、従来現場でしか取得できなかった施工状況を「いつでもどこでも」把握することができる。本稿は、システム機能の概要と、実施工での運用状況および成果を報告しています。


転倒したケーソン システム適用の結果、
1)潜水士による調査を事前に実施したところ、転倒したケーソンの状況を正確に把握することは困難でした。そこで、ベルーガシステムによる深浅測量を行った結果、400mのエリア(27函)のうち375.5m(25函)が転倒しており、また、湾側だけでなく沖側にも転倒していることが確認できました。また、測得データを整理・解析した成果が次工程に反映されるため、迅速かつ正確に測量結果を出力する必要があります。本施工では、ベルーガシステムの測量成果を日々事務所・グラブ浚渫船モニタに表示しながら施工を行いました。


ケーソン撤去状況2)ベルーガネットによるデータ通信については、移動局と基準局との間に障害物(他施工重機等)がある場合に一時的にデータが途切れる現象が発生しましたが、データ送信状態を基準局モニタに表示させることにより、基準局からの再送信指示(双方向データ通信機能)により欠損データを再受信することができシステム運用上大きな障害とはならず、リアルタイムに施工情報を取得することができました。

 また、情報の把握・確認がリアルタイムなので、施工完了後に計測機器の作動不良等による計測データの欠損に遭遇することなく、確実な施工情報の管理を実施することができました。

ケーソン撤去状況 作業終了予定時刻の確認や各種設定及び測量員への指示等が直接、遠隔で行える双方向データ通信機能により、効率的な作業計画および配置を実現しました。更に、測量船への各種設定作業やデータ収集作業は遠隔操作で行うため、海中転落災害の防止や作業人員の削減および施工効率の向上を図ることも可能となり、現場施工を進める上で多くの成果を挙げることができました。


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